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2019/06/11
打ち抜きの基礎
ブランキング(身落とし)型の種類と活用 ~新方式:スマートタイプ
<2022年12月7日更新>
目次
ブランキング(身落とし)型とは?
大ロットの打ち抜き加工において、異物混入防止や生産性の向上のため、ブランキング(身落とし・製品落とし)型を製作する場合があります。
平盤打ち抜き機には、製品と必要ではないカス部分を型を利用して分離する ブランキング機能付きの機械があります。この機械で使用されるのが、「ブランキング型」です。
後工程で「バラシ(カスムシリ)」と言われる 製品と必要ではないカス部分を分離させる作業を、型を利用して機械で分離することで、「加工スピード向上」はもちろん、「異物混入防止」や「生産性向上」にも役に立ちます。
最近は、カスムシリ作業の人不足や高齢化、短納期・品質への要求が高くなっており、
打ち抜き加工でブランキングを検討される方も声も増えてきました。
ですが、ブランキング型を使用するのには、イニシャルコストというハードルがあるため、気軽に購入できないという企業様は少なくありません。
※カスムシリ作業
ブランキング型の課題 ~製作コスト
大ロットで丁数が多い箱を加工する際には、ブランキング型のイニシャルコストは単価に転換しやすいので、
ブランキング型を採用しやすいですが、中~小ロットの場合は、単価に転換できないため、採用することが厳しい場合も多いです。
通常、上型と下型で構成されるブランキング型は、
材料のコストが高く、高額の製作コストや製作納期が長いため、注文することへのハードルが高いということがあります。
お手軽にブランキング型を使用することはできないでしょうか?
ここでは、弊社が開発した新ブランキング方式と合わせて、
従来のブランキングと新方式のメリットとデメリットを紹介したいと思います。
①上型と下型で構成される ブランキング型
一般的に製作されているブランキングは、上型と下型と構成されております。
上型は、製品を押さえて落とす役割で、下型は落とした製品を揃える役割をします。
大創では、上型と下型に「特許部材」を使用して、オリジナルのブランキング型をご提供しております。
下型では、ベニヤを積み重ねるか、鉄板を重ねて製作することも多いため、型が重く、納期は1週間以上を必要とされます。鉄板が使用される場合は、製作費用も跳ね上がります。
※鉄板を合わせたブランキング型
こういった点で、単価に転換しやすいロングラン商品や、大ロットで丁数が多く、バラシが難しい商品での製作をおこなうことが多いです。
◯「上型・下型のブランキング型」
メリット
・異物混入防止
・大ロットの生産性向上
デメリット
・製作コストが高額
・製作納期がかかる
・型が重くて作業者に負担がかかる
☆ブランキング型を採用される商品:ロングラン商品、大ロットで丁数が多い商品
②新ブランキング型 スマートタイプ【特許出願中】
※新ブランキング型・スマートタイプ: ブランキング部材(カチャカチャ)との組み合わせの例
新しく開発された新ブランキング型 スマートタイプは、高額の「ブランキング」を手軽にお使い頂くために考案された弊社の新技術です。
ベニヤ2枚の間にポールを立て、製品を流す この「ポール式」は、製品が各箇所のポールに当たりながら流れるため、レーザーカットをした煤が付くこともなく製品揃いも優れています。
既に導入実績もあり、使用されたお客様からは「軽くて使いやすい」など評判です。
ただ、ドブ(丁と丁の間の隙間)の設定が10mm以下の丁数が多い割付には向かないため、この場合は溝部のベニヤを鉄板に変えて強度を上げるか、従来方式をご提案することもあります。
◯「新ブランキング型・スマートタイプ」
メリット
・異物混入防止
・大ロットの生産性向上
・従来のブランキングより安価
・軽量化
・制作納期が短い
デメリット
・ドブ設定は最低10mm以上必要
※レーザーカットの煤をキレイに削った場合
最後に ~ブランキング型で生産性向上の実現
イニシャルコストをおさえた新方式のブランキング型なら品質向上や省人化のためにお役にたてると考えています。
ブランキング型の採用に悩まれた方がおられましたら、一度、新方式を試してみてはいかがでしょうか。
作業現場の「働き方改善」、人手不足の解消はもちろん、打ち抜き機によるトムソンからバラシまでのワンストップ製作で、生産性・品質向上へつながるヒントになるかもしれません。
- Author:川上 健児
- 大創株式会社 大阪工場 工場長 川上 健児です。