印刷面のキズの発生原因と対策とは？！～資材のフル活用方法

＜2022年12月7日更新＞

印刷面の「キズ」トラブルとは？

打ち抜き工程においてよく発生するトラブルの一つに、印刷面の「キズ」があります。

印刷物の表面へ発生するキズは、製造工程の中で物理的なダメージが加わる事で発生します。
多くは、製函加工（グルアー）、給紙部（フィーダー）、そして輸送時の擦れによって生じてしまいます。

特に、ベタ印刷などは、浅く小さなキズであったとしても非常に目立ってしまい、見た目も悪くなってしまいます。それが原因で、クレームになり返品に繋がるケースもあります。

パッケージ製造工程で発生する「キズ」を防ぐ方法は、あるのでしょうか。
今回は「キズ」の原因と、発生を防ぐ方法についてご紹介いたします。

製函加工（グルアー、糊貼り）での擦れキズ

パッケージの製造では、シートを打ち抜いた後に、抜いた製品を「サックマシーン（糊貼り、グルアー、製函）」という最終工程に通します。
この工程で、罫線箇所を折ったり、糊付けなどを行い、箱の形となるように連続加工していきますが、製品との接触が多いだけに「キズ」トラブルがおこりやすい工程でもあります。

＜サックマシーン工程＞

①ベルト部による擦れキズの対策～

ベルトに沿って製品が流れていく際に、冶具やローラーに印刷面が接触し、摩擦を起こして
擦れキズが発生してしまう事があります。

その際は、傷が発生する場所にフェルト素材の「キズ防止テープ」を貼ると、摩擦から製品を保護し、トラブルを改善することができます。

●キズ防止テープ

片面テープ付きで、幅15 / 20 / 30 / 50mmがありますので、
色々な場所へ簡単に使用できます。
グルアー機以外にも、製本機や打ち抜き（トムソン）機など擦れ傷が出るときにも、効果を発揮します。

＜キズ防止テープの使用例＞

フィーダー（給紙部）でのキズ

フィーダ（給紙部）では、シートを積み上げており、枚葉紙を1枚ずつ送り出し、
印刷、打ち抜き（トムソン）加工、製本機へ紙を供給していきます。

＜打ち抜き機のフィーダー部＞

①シートの反りによるキズの対策

季節、湿度、紙質などの理由で、シートに反りが発生している事があります。
シートに反りが発生すると、給紙が上手くいかず、吸引力を上げ過ぎると、金属部に製品が当たってしまい、キズや跡が残る事があります。

その際は、「ジャバラサッカー（給紙ゴム）」を金属部にセットすることでキズを防ぐことができます。
金属部が直接 製品に当たるのを防ぎ、限度はありますが、吸引力も増しますので、
反ったシートでも上手く給紙してくれます。

●給紙部ラバー・ジャバラサッカー

サイズ：15.5ｘ30.5mm
※レギュラー品以外のサイズは、お問い合わせください。

＜ジャバラサッカー使用例＞

②フィーダーのベルト部でおこるキズ

同じく、フィーダーのベルト部分ですが、シートが真っすぐに進むよう、ベルトとローラーでシートを挟むように流れていきます。

ここで使われるローラーは機種によって様々ですが、
乾燥時期や、反りのあるシートを流す場合、力が強めに加わり、シートを押さえる力も強くなります。

＜フィーダーのベルト部分＞

この場合、製品へローラーの跡やキズが発生してしまう事があります。

その際は、「ノンクラッシュロール」をおすすめします。

グリップ力のある材質になっておりますので、シートの滑りを軽減します。
また、画像のように、ユニークな空洞の構造を採用しておりますので、強いテンションをかけても、製品へのダメージを減らすことができます。

●ノンクラッシュロール

サイズ：
・給紙部用　内径42ｘ外径80ｘ幅20ｍｍ
・カートンマスター用　内径28ｘ外径60ｘ幅20ｍｍ
※レギュラー品以外のサイズは、お問い合わせください。

＜ノンクラッシュロール使用例＞

最後に ～トラブルを事前に防ぐために

製造工程で発生するキズは、生産性の低下や、クレームになりお客様の信頼を損なってしまうことになります。

キズが発生しやすい乾燥時期や、ベタ印刷が多いシートを打ち抜く際には、
事前に各工程を確認して、キズを防ぐ資材を試してみてはいかがでしょうか？

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