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2020/09/14
サクセスカレッジ
デリバリーの「紙垂れ」を改善する方法とは?
<2022年12月27日更新>
目次
紙落ちの紙垂れ現象
板紙の打ち抜き加工時に最終デリバリーの紙積みで、シートのバランスが崩れる場合があります。
これは打ち抜きをする中で、製品の加工仕様によってシートに厚みの差が出てしまうからです。シートが積み重なるうちに、厚みの差が膨らみどんどん片方が垂れていきます。
アンバランスのまま、シートを積み重ねていくと、後工程のカスムシリ作業(バラシ)がやりづらくなることはもちろん、製品に紙垂れのくせがついてしまい、後工程で不効率になったり製品品質を問われクレームになる恐れもあります。
この現象を改善するために、多くの現場ではバランス調整するために、樹脂や紙を丸めお手製の「クサビ」を利用して、バランスを合わせているようにしています。
※多くの現場ではクサビを利用してバランスを合わせています。
バランス崩れの原因~リード罫とミシン刃のパッケージでの注意点
この「紙垂れ」現象は、特にリード罫や全切れミシン刃が使われているパッケージによく発生します。
図のように、シートを打ち抜く時に発生する貫通刃物が入っている折り目(黄色点線部分)の盛り上がりが積み重なり、
シートの量が溜まれば溜まるほど、バランスを崩してしまいます。
※リード罫とミシン刃が使われたパッケージの例
「クサビ」を利用した改善の限界
「紙垂れ」の改善策として今も多くの現場から利用しているのが「クサビ」です。
紙や樹脂を丸めてすぐに使えるため、その手軽さがメリットとも言えます。
ただ、使用するには作業者のコツとノウハウに左右されるところが多く、使用しすぎるとかえって、バランスを崩してしまう場合もあります。また、稼働中の機械に手を入れないといけないため、事故の危険性もあります。
臨時的な処置としては手軽く使えますが、根本的な解決策とは言えません。
品質を保ち、「紙垂れ」を根本的に改善する方法はありますでしょうか?
「ワンタッチ罫線」を利用した改善
長年、多くのお客様からこの現象の改善要望をいただいておりました。
弊社では2009年から「紙垂れ現象」を改善できる製品の開発に手がけ始めました。
2020年夏、発案からテストまで約11年の時間をかけて、遂に形にすることができました。
「ワンタッチ罫線」、紙垂れ現象をキレイにに改善できる画期的な製品です。
<ワンタッチ罫線 18mmベニヤ 板紙専用 全3種類>
「ワンタッチ罫線」使用例
ワンタッチ罫線は、弊社のワンタッチステ刃と同様にテープを剥がして抜型に貼るだけで使用が可能です。
抜型の修正は必要ありません。
※紙落ち箇所に貼るだけで使用できます。
紙落ち(カス)部分に罫線の山を作ることで、バランスよくシートを積み重ねることができます。バランスよくパレットに積み重ねができるので、製品にくせが付く恐れもなく多くシートを積み上げることができます。
パレットの出し入れ作業も少なくなることはもちろんのこと、ムシリ・バラシ作業をする際にも、スムーズにすすめることができます。
要チェック! 紙揃えも改善できる!?
前述のとおり、ワンタッチ罫線は打抜き後の紙垂れ防止で開発された製品ですが、
シートの不揃い問題を改善する事もできます。
イメージですが、画像の通りコピー用紙でも紙が揃わないことがあります。この場合、平面に当てて揃えたりしますが、
打抜いた後のシートを綺麗に揃えるのはなかなか難しいことです。
シートが揃わないと、バラシ工程に影響し、生産性を大きく低下させる原因になります。
その課題を改善するため、「ワンタッチ罫線」を活用することが可能です。
図面の青印のように、抜型にワンタッチ罫線をセットし、Gテープ®で面切を行います。
シートの角にくぼみを作ることで、シートの動きを止め、シートを綺麗に揃えることができます。
活用時のポイント
①ワンタッチ罫線だけではなく、Gテープ®も合わせて使用することが大切です。
②使用するワンタッチ罫線は、シートの寸法よりも長くします。
※使用した例
機械の回転スピードを上げることや、チョコ停を減らすことも大事ですが
ワンタッチ罫線を活用するだけで、バラし作業を効率良く行えるようになります。
「ワンタッチ罫線」のメリット
・その場で貼れるので、抜型の修正は必要ありません。
・デリバリー紙積みのクサビ本数が減ります。
・紙垂れのくせが付きにくく、ムシリ、バラシ作業が楽になります。
・多く積み上げができるので、パレットの出し入れ作業が減ります。
・稼働中の機械に手を入れないので事故防止につながります。
ワンタッチ罫の抜き見本/Gテープ®のセッティング
※必ずGテープ®も合わせてセットしてください。
※紙落ち(カス)が50mm以上の場合特に効果的です。
最後に ~生産現場の改善に
バランスよく紙積みができるだけで、作業者への負担を多く軽減することができます。
製品の品質を保ち、作業をスムースに進めるようにする「ワンタッチ罫線」、
ぜひ一度お試しください!
- Author:大塚 章乃介
- 2015年8月より本部 経営推進室 室長として就任。
現DSC学長でOnlineセミナーを配信中。