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2021/06/09
サクセスカレッジ
刃物へのダメージを減らし、抜型を安定して使える方法とは?
<2022年12月7日更新>
溝部分が密集する箱のトラブル
打抜き加工で、製品が小さい、または薄い場合のパッケージは、細かい溝部分が多く、
密集していることがあります。こういった形状ではカスが残るなどトラブルが起こりやすい傾向があります。
特に小さい化粧箱やお菓子の箱、医薬品の箱などは厳しい品質も求められており、
事前にトラブルを回避するため、多くの現場では様々な工夫が行われています。
そのトラブルの中で、溝部部分の切れが悪く、紙詰まりがおこることがあります。
この場合には溝にゴムを貼ることで、カスの吐き出しをよくするように対策をしますが、
通常のゴムを使用すると、プレス圧によって、ゴムが左右に太り、刃物にダメージを与えてしまう場合があります。
刃物へダメージが加わってしまうと、抜型も長く使用することができず、回転数もあがりません。刃物がいたむと切れも悪くなり、紙粉が出てしまう恐れもあります。
刃物への負担を減らして、トラブルを回避し、抜型を長く使える方法はありますでしょうか?
独自の形状で、ミゾ部分のカス出しに最適「ミゾッコ」
細い溝部に使うため、弊社が独自に開発した溝ゴム・「ミゾッコ」があります。
2000年6月、弊社の特許商品として開発、今や打抜き加工において回転数に影響が出るほど非常に重要なポジションを担う製品になりました。
●通常ゴムとの比較
独自のギザギザの形で、圧力を分散、左右ではなく上下に伸びるため、刃物へのダメージを最小限にします。多面付けの2枚刃の間にも対応、完全にカス除去ができるため、紙粉も残りません。
●ミゾッコの特徴
・プレス圧による刃の負担を減らし、刃物を長く使えます。
・多面付けの2枚刃の間にも最適です。
・吐き出し能力が高く、紙つまりのトラブルが大きく減少します。
・高反発ウレタンを採用、高速回転にも対応します。
どの部分に使用すれば良いか、どのように貼れば効果的なのか、
ここでは貼り方のコツと、長く使用するための保管方法について解説します。
ミゾッコの活用~①貼り方のコツ
上記に述べたように、ミゾッコはギザギザとした、凸凹の形になっています。
溝部分のカスをうまく吐き出すためには、端に凸の部分が来るように貼ることが大事です。
下記図を確認してください。
凸の箇所を端に配置することで、プレス時に、カスを力強く吐き出すことが可能です。
ミゾッコの活用~②保管方法
ゴムは劣化しやすいため、管理には特に気をつけないといけません。
基本的な注意点については、以下になります。
・ 高湿度の部屋は避ける
・ フォークリフトやトラック等の排気ガスに触れない場所
・ 通気性のよい環境
抜型に使われるゴム素材には様々な種類があります。
天然ゴム系は吐き出し能力が高いですが、加水分解など外気に影響を受けやすいという点もあります。
ミゾッコは、高反発ウレタン素材を活用しており、通常ゴムより反発性、耐久性、耐熱、耐水性に優れています。
下の図を参考にしてください。
(参照サイト)
ウレタンゴムが、機械強度・耐磨耗性において特に優れていることがわかります。
弊社では、抜型を使う際に安心安定した製品であり続けることを考え、採用しております。
最後に~トラブルを回避し、生産性をアップするため
トラブルを事前に回避することは、生産性アップにもつながります。
特に回転数が多く見込まれる製品については、小さいゴム一つにも拘って抜型を製作する必要があります。
弊社では、抜型の製作時に十分な相談をベースに、弊社で開発したオリジナル資材を取り入れ、トラブルを回避し、生産性をあげる抜型をご提供しております。
溝部分や多面付けの2枚刃のトラブルでお困りの方、溝専用のゴム「ミゾッコ」を活用してみてはいかがでしょうか?
- Author:大塚 章乃介
- 2015年8月より本部 経営推進室 室長として就任。
現DSC学長でOnlineセミナーを配信中。