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2022/02/01
パッケージの基礎
段ボール(ダンボール)の原紙規格(構成)とは?
<2022年11月17日更新>
目次
段ボールは、表ライナー、中芯、裏ライナーで構成されており、使われているものは段ボール原紙になります。(合紙の場合は板紙)
この段ボール原紙にも規格されたグレードがあります。
ここでは段ボール原紙のグレードについてお伝えします。
例)両面段ボール(シングルフェーサ)の構成
一般的に、表ライナーは裏ライナーと同等が望ましいとされています。
同じグレードにすることによって、シートの反りやトムソン加工での不良を抑えることが出来ます。
ライナーの等級と名称
等級 | 名称 | グレード | 価格 |
---|---|---|---|
A級 | Kライナー | 高 | 高 |
B級 | Bライナー | ↑ | ↑ |
C級 | Cライナー | ↓ | ↓ |
D級 | Dライナー・NCライナー | 低 | 安 |
パルプ(製紙に用いるために分離した食物繊維)の配合量によって等級が分かれます。
グレードが低くなるほど弱いライナーであり、トムソン加工時での「割れ」や「ビビリ」が発生しやすくなります。
現在では、KライナーとCライナーの原紙が主流となりました。
Kライナーとはクラフトライナーのことで、Cライナーはジュートライナーのことになります。
原紙の規格
匁(もんめ) | 米坪(g/㎡) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
5 | 170 | |||||
6 | 210 | |||||
7 | 280 |
段ボール原紙には、重量の規格があります。
匁 = 尺×尺の重量 ( 1匁 = 3.75g )
米坪 = 1㎡あたりの坪量
中芯原紙の等級と名称
等級 | 名称 | グレード | 価格 |
---|---|---|---|
A級 | セミ芯 (パルプ100%) | 高 | 高 |
B級 | 準セミ芯 (パルプ+段古紙) | ↑ | ↑ |
C級 | 準セミ芯 (パルプ+段古紙) | ||
D級 | 強化特芯 (特芯+強化剤) | ↓ | ↓ |
E級 | 特芯 (オール段古紙) | 低 | 安 |
ライナーと同様にパルプ(製紙に用いるために分離した食物繊維)の配合量によって等級が分かれます。
中芯の標準重量は120g/㎡です。
シングルフェーサ、ダブルフェーサ、トリプルウォールに使用される中芯は一般的にC級以上のグレードを使用します。
D級以下のグレードは、主に片段に使用されます。
※強化芯と呼ばれる中芯は、C級以上のグレードに強化剤を混入した原紙を言います。
Pで表記されます。(通常の中芯はS)
中芯の重量(強度)
弱 | ← | 120g | 160g | 180g | 180g強化 | 200g強化 | → | 強 |
なぜ強化芯が必要なのか?
一番わかりやすい例では、
今まで物流として使用していたダブルフェーサの段ボール箱を、コスト削減や生産効率の向上でシングルフェーサへ切り替える際にダブルフェーサの緩衝力が必要となるため、強化芯にすることで緩衝力の問題クリアができる、ということで強化芯にすることがあります。
段ボール構成の表記例
一般的には
ライナー等級+原紙規格×中芯等級×ライナー等級+原紙規格
で、表記されることが多いです。
K5 × S160g × K5 = K170g × S160g × K170g
また、中芯が標準の120g/㎡の場合には省略されて表記されることがあります。
C5 × C5 = C170g × S120g C170g
最後に段ボール(段ボール原紙の分類)とは?
ここでは、段ボール原紙の分類を説明いたしました。
トムソン加工をされている企業様で特に気をつけていただきたいことが、表と裏のライナーがどの等級のものかです。
見た目の品質は落としたくないので表ライナーは等級をそのままにして裏ライナーだけ等級を下げた場合には、必ずトムソン加工でトラブルが発生しやすくなります。
特に小ロットになれば、本稼動になるまで時間を相当費やし、本稼動になったらすぐに抜き終わったということにもなりかねません。
トータルコストで検討することも必要かもしれません。
- Author:大塚 章乃介
- 2015年8月より本部 経営推進室 室長として就任。
現DSC学長でOnlineセミナーを配信中。