パッケージで使用される板紙（コートボール紙・チップボール）とは？

＜2022年11月16日更新＞

みなさんは、パッケージ（＝箱）で使用されている紙と聞くと、お菓子の箱やティッシュの箱などで使用されている紙を想像されるかと思います。

紙は、「和紙」と「洋紙」があり、製法によって大きく分けるとこのふたつに分類されます。パッケージで使用されている紙の殆どは「洋紙」になります。
洋紙と言っても様々あり、コピー用紙や包装用紙、段ボール原紙などがありますが、紙のパッケージで使用されている洋紙は「紙器用板紙」になります。私たちの業界では紙器用板紙のことを省略して「板紙」と呼んでいます。
今回は、その板紙をフローチャートにしました。

白板紙とは？

パッケージに使用されている板紙のほとんどが、この白板紙を使用しています。
白板紙でも「マニラボール」「白ボール」に分かれます。

白板紙 ＞ マニラボールとは？

マニラボールは板紙の中でも高級板紙とされています。
マニラの由来は、当初板紙の強度を出すために繊維の長いマニラ麻を原料にしたことからとされています。
マニラボールの中でも色々と種類はあるのですが、化粧品や医薬品などの高級品に使われることが多い板紙になります。

白板紙 ＞ 白ボールとは？

紙のパッケージにおいて殆どがこの白ボールを使用しています。
主に、表層に「パルプ（＝植物繊維）」で中層と裏層が「古紙」で構成された板紙のことになります。

白板紙 ＞ 白ボール ＞ 塗工＝コートボールとは？

白ボールに途工をした板紙をコートボールと呼びます。
パッケージの仕事においてコートボール〇号やコートボール〇〇〇ｇなど、日常的に使用している板紙の呼び方がこれにあたります。
印刷適性をよくするために板紙表面に塗工をしています。

塗工＝コーティングカラーやクレーなど混ぜ合わせたものをコーティングすることで、紙を綺麗に見せることや、ざらざらした板紙に平滑性をもたせて印刷の乗りをよくする、また印刷ムラを無くし発色をよくする効果があります。

白板紙 ＞ 白ボール ＞ 非塗工＝A白ボールとは？

ノーコートボールとも呼ばれています。
私の記憶では、お客様から「今回はノーコートボールを使用する」と言われた記憶が全くないぐらいの板紙です。生産量においてコートボールが圧倒的に多いので、選択肢として、あえてノーコートを使うこともなくなったのだろうと思います。

チップボールとは？

下級古紙で構成された板紙になります。
下級古紙で構成されているので、パッケージで使用することは皆無に等しく、もし使用したとしても折り曲げた際にすぐにそこから裂けてしまいます。
折り曲げのない、紙仕切りなどには使用されています。

色板紙とは？

色板紙は「白板紙」「チップボール」に色を付けた板紙です。
クラフトボール紙や茶ボール、ねずみボールなどになります。

最後に板紙とは？

上記は代表的な分類になります。板紙は同じ名称であっても［ 厚み（板紙の厚み）＝ 重量（板紙の総重量） ］によって作るパッケージが違ってきます。
お店などに陳列されたパッケージを手にとっていただき、これはコートボール？これはチップボール？と違いを感じていただくと板紙をもっと身近に感じていただけるかもしれません。また、海外のパッケージで使用されている板紙は同じ板紙とは思えないようなものもありますので、是非デザインだけではなく紙そのものに触れていただけると、業界の人間として嬉しい限りです。

その他、紙のご紹介

板紙以外でも、プラスチックフィルムや砂をベースとした「合成紙」があります。この合成紙を打抜くための抜型や資材に対しても弊社は実績があります。
また、ファイルで使用される厚紙やそのファイルに綴じる薄紙に対しての抜型や資材においてもお客様から高い評価をいただいております。
様々な紙が開発される中で、弊社もその紙に合った抜型や資材をご提供できるように日々社内で情報の共有を図り取り組んでいます。

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