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サクセスカレッジ

2018/05/21

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「紙粉トラブル」原因と除去対策とは?~板紙編

<2022年11月15日更新>

「紙粉トラブル」原因と対策方法とは?~板紙編

紙粉板紙_001
製造現場では、様々な打抜き加工トラブルが発生します。
その中でも、「紙粉トラブル」に悩まれている製造現場を多く見かけます。

「紙粉」は、用紙の素材や紙目、刃物や加工方法、レイアウトなど様々な原因から発生します。なお、紙粉の種類には「粉状紙粉」、「糸状紙粉」の2種類があります。

紙粉の種類

1)粉状の紙粉
⇒刃の先端部のザラつきや、刃物先端がカッティングプレート(面板)に架かる負荷(抜圧)によるカエリ(刃先の変形)が原因です。

2)糸状の紙粉
⇒ステンレス面板の溝、刃の先端の磨耗により刃が丸まり(約0.1mm)、糸状の紙粉がでます。

刃物の潰れ、カエリによる紙粉 ~粉状の紙粉

①粉状紙粉00
【原因】
刃先の潰れによるカエリ部分でひっかけ、層間剥離と粉状紙粉が発生します。

刃物の潰れによる紙粉 ~糸状の紙粉

②糸状紙粉00
【原因】
糸状の紙粉の原因は「刃先の潰れ」です。

刃先が鋭利な状態は、紙への負荷が少なくて押し出してくれます。

刃先が潰れた状態は、刃先の丸まった部分の紙が切れずに残ったままになり、これが「糸状の紙粉」の原因になります。紙に接した時点から押し切りの状態になるため、負荷がかかりっぱなしになり、抜き圧も増加します。

また、刃の高さが低くなることで、罫線とのギャップも縮まるため、罫割れ発生の要因にもなりやすいです。

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紙粉の対策 ~①刃物対策

二段刃仕様の刃物を使用することで、紙粉を軽減させることができます。

③糸状対策:二段刃
二段刃形状の一段目に鏡面加工仕上げを行い、切断力を保持したまま鈍角な刃先が理想的な摩耗状態を作ります。刃先先端を鈍角に加工し、切断初期の刃先損傷を抑えるために開発された刃物なので、紙粉対策用刃物としても使われています。

※取り扱っているメーカーと品名

・塚谷刃物製作所製:品名Super WG typeなど
・ナカヤマ製:品名NCD760など

※主に、医療・化粧品などのパッケージ、食品ディスプレイなど、品質を求められる打抜き加工に採用されています。

紙粉の対策 ~②面板対策

紙粉対策で刃物以外にも注視するところは、「ステンレス面板」です。

【面板のキズ】

③糸状対策:面板のキズ
ショット数が増えて長い時間面板を使用すると、切刃部に溝ができます。
面板に溝ができると、刃先が潰れる原因になり、紙粉が発生します。

通常の5㎜面板(カッテングプレート)を使用するのが望ましいですが、硬度が高く刃先
の潰れによる紙粉の発生(糸クズ)に繋がります。

【面板の反り】
③糸状対策:面板の反り
軟らかい面板は彫れが出るため、打抜き開始時、平坦でも徐々に反っていきます。
反った面板が刃に当たるとたわみが発生します。
同じところに刃が入らないので、刃先が潰れます。

押し切りの状態になるため、刃物に負荷がかかりっぱなしになり、抜き圧が増加します。
これが原因で、刃先部分に糸状のクズが出ることがあります。

なお、刃の高さが低くなることで、罫線とのギャップも縮まることになり、罫線が強く入ります。強く入った罫線は、新たな「罫割れトラブル」にもつながります。

【面板対策】
仕切や大ロット用で打抜きするなら、特に硬い面板で使用する事をお勧めします。

※硬度の高いステンレス面板の使用
<例> DP2(硬度52゜)→ DHS57(硬度57゜)

近年は、刃先が硬い刃物も多いですので、面板との硬度差が少ない事を確認する必要があります。

※ステンレス面板仕様


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適切な面板を選定 ~ステンレス面板の重要性

刃物とのトラブルを避けて、紙粉を軽減させるためには、まずは受け側のステンレス面板の適切な選びと使用が大切です。
ステンレス面板の中でも、硬度別に様々な種類があります。

※ステンレス面板比較表
ステンレス面板仕様①_02
特にDHS57は、硬度が高く、耐久性に優れている面板です。
SUS304は、一般的な面板硬度です。刃物と面板の高度差が少なくするのが重要です。

【DHS57のメリット】
・平坦度が高い
・刃の底がつきにくく、ムラ取りしやすい
・紙粉の軽減
・リサイクル可能
・安定した商品作りに最適

※SUS304とDHS57の比較

ステンレス面板仕様③
ステンレス面板仕様②

まとめ ~紙粉トラブルを減らすために

生産性向上、トラブルを再発しない為にも刃物と同様に面板の選定は大切です。
近年は、刃物の硬度が高い傾向がありますので、面板も刃物に合わせて硬度の高いのを採用する必要があります。

特にショット数の多い打抜きには事前に相性を確認して、作業に取り組むのが大事です。
今「紙粉トラブル」に悩まれる方がおられましたら、ご使用されるステンレス面板に、溝があるのか、反りや耐久性は問題ないのか、一度確認してみてはいかがでしょうか?

また、生産性向上と、トラブル回避、安定した商品作りで高い費用対効果を生む「DHS57」をご検討されてはいかがでしょうか?

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大塚 章乃介

Author:大塚 章乃介
2015年8月より本部 経営推進室 室長として就任・
現DSC学長でOnlineセミナーを配信中。
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