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サクセスカレッジ

2017/10/26

サクセスカレッジ

タイ国内における「原紙」価格事情(タイ・パッケージ業界動向)

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日本では古紙価格上昇とともに、段ボール原紙の値上げの波が起こっていると聞いています。
私の駐在しているタイにおいてもその波が起こっています。

世界での段ボール生産・出荷

まず、世界の段ボール市場を見ると、アジアの段ボール生産・出荷はダントツ世界一位です。
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(参照資料:国際段ボール協会

全世界の段ボールの過半数はアジアで賄っていると言っても言い過ぎではないでしょう。
しかも、年々、その生産・出荷量が増えている傾向にあるようです。

タイにおける紙の生産・出荷

そんな活況なアジア段ボール市場ですが、タイで紙の値段が高騰しています。

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要因は中国。大気汚染がひどいため、燃焼物質を厳しく規制し始めた中国ですが、規制のおかげで製紙工場の稼働が制限されて原紙を作れない状態となっています。

こうした事情から、中国の企業がタイで作った紙を大量に購入し、タイ現地で紙の供給が逼迫する状態になりました。そしてついに、年初から噂されていた紙の価格高騰が現実となり、タイのパッケージ業界を悩ましています。

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タイの業界内における反応・対応

業界内では、約10%から20%の値上げが実施され、しかも現金払いでないと、売ってもらえない事態も起こっているそうです。

値上げもできず紙のコスト高という板挟みの中、タイ現地の中小パッケージ企業は苦境にあえいでいるのが現状です。

ただ、現地企業、日系企業の対応は様々です。地元段ボール企業の中には、独自で古紙をリサイクルして段ボールシートを作っているところや、日系企業でも日本から独自ルートで入手しているところもあり、一概に皆が皆、苦しんでいるわけではないようです。とはいえ、全体的には紙不足が大きな負担となっていることは事実です。
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この状態がいつ迄続くか、当分不安な日々に心を悩ませるタイのパッケージ業界です。

最後に業界におけるタイの位置づけ

そういった状況の中、今年9月に開かれたPPI2017展示会は、主催者であるタイ印刷協会とタイ・パッケージ協会が、オーガナイザーであるMesse Dusseldorfと正式契約を結び、今後2年毎にタイで同業界の国際展示会を継続して開催することになりました。

以前に比べ、国際色は強くなっています。加えて、来場者数も増えました。アジア周辺諸国は当然ながら、中東、アフリカ、欧州からも来場者が広がり、今後、中国を除けば、アジアでの印刷・パッケージ業界のトレンドを先取りする国際展示会として注目される事は間違いないでしょう。

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冨田 聖人

Author:冨田 聖人
大創株式会社 海外部 部長 冨田 聖人です。
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